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◆家紋の構成

家紋は原則的には同じ名字のものが同じ家紋を用いるのが本義であると思われますが 子孫が増え、本家・分家と分かれ更にその分家が分派していきました。 家紋は家や名字のしるしとして用いられたものであるので、当然本家の家紋を踏襲すべきものですが、 ここに本家・分家を区別する必要が生じました。
そして家紋においても本家の形を残し、一部を改造したり外枠を付けたり分割したりして区別をしました。 例として、薩摩藩種の島津氏の家紋は簡単な「丸に十文字」ですが、支流が増えるに従って60余種の変化をしています。


---付加---

紋の付加とは、原形の紋の外郭に丸や角を加えたものと、紋自体に蔓、剣などを付け加える方法で、本家の原形は残されます。

【輪の種類】
太輪、丸輪、中輪(なかわ)、細輪、糸輪、毛輪(けわ)、 二重輪、三重輪、子持ち輪、石持ち(こくもち)などの他に、他の紋で表した 州浜輪、菊輪、藤輪、源氏輪、竹輪、鐶輪、柊輪、雪輪などがあります。

【角の種類】
平角、隅立て角、垂れ角、隅切り角、撫で角、隅入り角、雁木角、鉄砲角、石持ち隅立て角、六角、 八角、寄せ角、組み合い角、角持ちなど実に多様です。


---改造---

紋の改造とは原形の紋の面影を残して紋の形に手を加えて改造することで、これには描き方の変化や、 紋の形を変えたり、他の紋の形に真似たりする方法があります。

【陰陽】
紋の描き方を変えて、陰陽を区別します。複線(陰線)で描いた紋を陰紋(かげもん)と呼びます。 通常の紋(陽紋)は単線で描かれます。

【裏表】
草花の見る観点を変えています。花の素材の場合で、裏から見て描いた紋形は花に萼(がく)が付いています。

【単複】
花弁を描く場合、通常「一重」で描きますが、「八重」に描く場合もあります。

【葉・花の線を鋭角的に描く】
この形に描かれたものを「鬼」と呼びます。

【画風の模倣】
尾形光琳の画風を模倣した紋形で光琳梅、光琳桐、光琳鶴、光琳桔梗などがあります。 また、千利休の好みといわれる図形を模倣したものには利休桐、利休牡丹、利休橘などがあります。

【観点の変化】
花紋の場合、真横からの形で横見梅、横見桔梗など、また花弁を真正面から見た形で向こう梅、 向こう桜、向こう橘、向こう牡丹などがあります。

【上下】
紋の形を上下逆さまにしたもので、「上がり」「下がり」と呼びます。 上がり藤、下がり藤などがあります。

【角度の変化】
外郭を角で囲んだ紋や、目結、石畳、万字など方形の紋を水平に置いたものを「平(ひら)」と呼びます。 水平に置かず、45度に傾斜させた形を「隅立て」と呼びます。 ある程度傾斜させて寄りかかったような形を「寄せ掛け」と呼びます。

【折り(折れ)・捻じ】
葉、羽を斜めに折った紋形を「折り」または「折れ」と呼びます。折り鷹の羽、折り柏、折り柊など。 葉、花弁を捻じ曲げた形を「捻じ」と呼びます。

【結び】
結んだ形に描くものを「結び」と呼びます。結び雁、結び柏、宝結びなどがあります。

【別の紋の形に真似る】
擬態紋と呼ばれ種類は多く、真似られる紋は桐、巴、蔓、蝶、九曜、菱、片喰、車、杏葉、浮線綾などで 比較的有名な家紋が多いです。例えば、沢瀉を桐に似せて沢瀉桐、銀杏を蝶に似せて銀杏蝶などがあります。


---合成---

合成紋には紋の形を変えないで数を増やしていくものと、他の紋との組み合わせで作るものとがあります。

【対い】
同じ紋を2つ向かい合わせる形で「対い(むかい)」と呼びます。 これは正面を向いている意味の「向かい」との混同を避けるために家紋に限り用いられます。

【抱き】
2つの同形の紋が下部で交差、接触して互いに抱き合った形で「抱き」と呼び、数多く用いられています。

【並び】
同形の2つ、またはそれ以上並べる形で「並び」と呼びます。 ただし杉の場合は二本杉と呼ばれています。

【違い】
紋の中央部で斜めに交差させる形で「違い」と呼びます。 鷹の羽の場合は右上と左上があります。

【重ね】
同形の紋の左右、上下の一部分を重ねる形で「重ね」と呼びます。

【盛り】
3つの同紋を品の字形に盛り上げた形で「盛り」と呼びます。

【寄せ・離れ】
3つの同紋を中心に向かって寄せ集める形を「寄せ」と呼び、反対に外方に引き離す形を「離れ」と呼びます。

【頭合わせ・尻合わせ】
3つの紋の頭を中心に向かって寄せ集める形を「頭合わせ」、尻の方を寄せ集める形を「尻合わせ」と呼びます。

【追い】
同形の紋2つ以上が頭部と尾部を接して互いに追いかけ、丸形にまとまる形で「追い」と呼びます。

【待ち合い】
同形の紋を2つ以上組み合わせ、その一部が共有する形で「待ち合い」と呼びます。

【繋ぎ】
同形の紋を3つ以上連結させる形で「繋ぎ」と呼びます。

【子持ち・入れ子】
同形の大きな紋が小さい紋を包む、または大きな紋に寄り添う形で「子持ち」と呼び、 枡の場合は「入れ子」と呼びます。

【他の紋との組み合わせ】
違った紋を組み合わせて別の新しい紋を作ることで合成紋と呼ばれます。 結婚により双方の実家の紋を残したい時や、授与された紋を残す為などに描かれる家紋です。


---分割---

独立した紋を分割して1つの紋を作り、円形や角形の中に配置する方法で、「割り」と呼ばれます。 その紋の数により、二つ割り、三つ割りと呼び八つ割りまであります。


---省略---

元は2つ以上の合成紋のうち、その片方を省略して用いる方法。

このページ内の内容は日本家紋研究会会長:千鹿野茂様著書の「日本家紋総鑑」に基づいて書かれております。 同書籍には更に詳しい内容やが多く掲載されております。図書館にて参照可能。


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